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2025.09.26

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切粉トラブルを防ぐ!クーラント側の切粉処理方法

クーラントを活用した切粉処理は、近年技術進歩により様々な場面で有効に活用されています。
そもそもクーラントは主に工具とワークの冷却・潤滑を目的として供給されますが、同時に発生した切粉を洗い流す役割も果たします。
また、高圧クーラントや適切なノズル配置を用いることで、切粉を加工室内に堆積するのを防ぎます。今回は近年注目されているクーラントを活用した切粉処理を2点ご紹介させて頂きます。

高圧クーラント

高圧クーラントを活用した切粉処理は、近年の工程集約化が求められている工作機械加工において非常に効果的な切粉管理手法として注目されています。
特に自動化や無人運転を推進する現場では、加工点からの迅速な切粉排出が欠かせません。
通常のクーラント供給よりもはるかに高い圧力(おおむね2~10MPa程度)で切削点に冷却液を供給するシステムです。専用のポンプと配管、ノズルを用いて工具の内径や外部ノズルから集中的に噴射することで、工具内部や刃先にこびりついた切粉を除去します。高速加工時の発熱による工具熱変形の抑制をする事が出来、クリーンな工作機械室内環境を保ち、安定した高精度加工が可能となります。
他にも、深穴加工での切粉排出、長い切粉(ロングチップ)の分断・搬送、工具の長寿命化、切粉搬送性の向上など多くのメリットがあります。

導入時の注意点としては、高圧に耐えうる配管や継手、シール材の選定が必要なこと
高圧運転はクーラントの微粒化や発熱を促進するため、冷却・濾過性能の高い液を使用し、定期的なメンテナンスを行う必要があることがあげられます。

クーラント噴射装置

クーラント噴射装置を活用した切粉処理もこの2~3年より注目を集めています。
工作機械のクーラント供給装置を利用して、吐出方向を周期的に揺動(ウェーブ状)させる機構を持つ特殊ノズルを使用し、切粉の洗い流し効果を高めるために用いられます。
単なる水流の噴射では得られない広範囲・高効率の切粉処理を実現する装置であり、特に複雑な加工機構をもつ機械や自動化ラインで大きなメリットを発揮します。機械のクリーン性を高め、トラブルの未然防止や省力化にもつながるため、高圧クーラントシステムと併用するとさらに効果的です。

まとめ

クーラントによる切粉対策は以上となります。切削加工において切粉対策も重要ですが、同じくらい熱の対策も重要です。先述した高圧クーラントでは、クーラント自体を発熱させてしまう事もあるので、チラー等の装置で液体を冷やす必要があります。クーラントには「油性」「水溶性」と種類がありますが、それぞれ環境面、安全面、性態面でメリット・デメリットがあります。また新しい性態のクーラント等もあります。こちらについては別の機会にご案内できればと思います。

工具側の切粉処理方法はこちらから
揺動切削による切粉処理方法はこちらから

著者:株式会社共和工機 第一営業部 課長代理 清水洋平
2001年入社し本社勤務一筋、地域密着営業で25年目を迎えました。
おかげさまで製造業に関する補助金に数多く携わらせていただきました。

「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」「新事業進出補助金」「中小企業省力化補助金」「中小企業成長加速化補助金」「大規模成長投資補助金」「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」「IT導入補助金」等、ご検討の際は全力でサポートさせて頂きますので気軽にお声がけください!