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人手不足に対応出来る工作機械とは?~省人化の具体策
現在、どの業界においても人手不足が大きな問題となっております。
黒字企業の人手不足倒産なども聞こえてきます。
その原因として、人口減少と従属人口の増加が考えられます。
従属人口においては、2005年時点「51%」から2024年には「67.9%」まで増加をしております。
我々、製造業界においても人手不足による生産性低下の改善が急務となっております。
本記事では、経営者や現場責任者に向け、省人化対策が可能な工作機械について、具体例を交えてご紹介します。
【目次】
省人化の対策が出来る工作機械の種類及び具体的活用例
工作機械における省人化の手法はいくつか存在します。
ここではよりメジャーで、多くのお客様に導入をいただいております内容をご紹介します。
ロボット連携型の工作機械
工作機械に産業用ロボットを組み合わせて、自動で加工物の脱着作業や、完成品をストッカーに並べる作業を行えるシステムです。
例えば1日2時間の残業を行っていたところを、本システムを活用する事により、残業代の削減に繋がります。
【具体的組み合わせ事例】
FANUC社製 ロボドリル + 近藤製作所社製 ロボ台車(搭載ロボットはFANUC社製)
FANUC社は自社で工作機械(ロボドリル)と産業用ロボットの生産を行っております。1つのメーカー製品を組み合わせることで、工作機械、ロボットの双方をFANUC製コントローラ(NC装置・ロボットコントローラ)で制御することが可能となり、外部のインターフェースが不要となります。
さらに、移動式のロボ台車を使用することで別の工作機械と組み合わせた自動化を行うことができます。
ファナック株式会社:https://www.fanuc.co.jp/
株式会社近藤製作所:https://www.konsei.co.jp/
パレットチェンジャー搭載の工作機械
パレットチェンジャーとは加工テーブル(パレット)を自動で交換ができる装置の事です。通常の工作機械はテーブルが1枚の為、加工完了したワークを取り外し、新たな素材を取り付ける段取り作業の間、機械の稼働が停止します。
パレットチェンジャーを活用することにより、段取り作業中でも別のパレットで加工ができ、機械稼働率の向上に貢献します。
また、パレットチェンジャーを多段化することにより、長時間の自動運転が可能になり、省人化から無人化へ更なる生産性向上に繋がります。
【具体的組み合わせ事例】
ブラザー工業社製 SPEEDIO + PC-1(パレットチェンジャー)
SPEEDIO及びPC-1ともにブラザー工業社製品です。
通常1枚テーブルのSPEEDIOに最大40枚のパレットを収納可能なPC-1を組み合わせることにより、長時間の自動運転が可能になることに加え、機械の稼働率を向上させます。
※2025年12月1日時点ではSPEEDIO U500xd2-100T及びS700Xd2-100Tに組み合わせができます。
ブラザー工業株式会社:https://www.brother.co.jp/
複合加工機
複合加工機とは1台で複数の工程の加工を連続して行える工作機械です。
例えば、丸物を削る旋削加工と穴をあけるフライス加工を、従来では2台の工作機械で行っていたところを複合加工機1台に集約することが出来ます。
旋削加工⇒フライス加工への搬送や段取りにおける人の介入が不要となり、中間製品も無くなり、省人化に繋がります。
【具体的な工作機械】
オークマ社製 MULTUSシリーズ
MULTUSは旋削+フライス加工を1台で完結できる複合加工機です。
ATC(自動工具交換装置)を搭載している為、複数の加工工程がある製品に対しても完品加工ができます。
オークマ株式会社:https://www.okuma.co.jp/
省人化設備を導入する上で気を付ける点は?
上記では省人化における魅力をお伝えしましたが、全てが簡単に実現するわけではありません。
導入にあたり、気を付けるべきポイントをいくつかご紹介します。
費用対効果を明確にする
上記に挙げております設備を納入する際には、通常の工作機械のみを購入するときよりも初期費用が高額となります。
過激な省人化対策は、償却が長期化する恐れがあります。
工程を見極める事
一概に全ての工程を省人化することが適切であるとは言い切れません。
特に省人化対応を初めて行うお客様には、段取り・搬送等の効果が見出しやすい工程から行うことをお勧めします。
保守及びメンテナンスをしっかり行う
自動化設備が複雑になるほど、故障をした際のライン停止のリスクが大きくなります。
メーカー推奨の定期点検や予防保全は日頃より、しっかり行うことをお勧めします。
まとめ
今回は省人化が可能な工作機械についてご紹介しましたが、上記以外でも多くの活用方法があります。
数十万円程度でできる省人化もあれば数億円掛かる省人化もあります。
各お客様にしっかりとマッチした省人化を行うことが何よりも大切です。
単なる自動化をするだけではなく、バランスがしっかりと取れた総合戦略として計画することが、最善の「省人化」に繋がっていきます。
著者情報:㈱共和工機 第五営業部 奥田純平
2016年に入社し、群馬県の太田支店で5年の営業活動を経て、現在の本社勤務となります。
常にお客様の立場で物事を捉え、最適な提案を心掛けております。
「プラスαの付加価値」をモットーに今後も精進致します。
何かお困りごとの際は是非、お声掛けいただきますようお願い致します。