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2026.02.18

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ファクトリーオートメーション(FA)を行う方法と設備例

昨今、少子高齢化社会や働き手不足など、従来とは比較にならない速度で進み、社会問題となっています。働き手を募集するも集まりにくい状況が慢性化してきており、稼働率を上げるための方法についてもお困りの方が多いのではないのでしょうか。このコラムでは、切削を行う企業の幹部、現場責任者向けに、ファクトリーオートメーションの方法や必要な設備、メリット・デメリットを交え、ご紹介します。

 

ファクトリーオートメーションとは

ファクトリーオートメーションとは、従来人の手で行っていた作業を、ロボットや機械・センサー類を使用して業務を代行させることを指します。近年、急激に自動化やファクトリーオートメーションが注目されているのは、人手不足が背景となっています。

厚生労働省の記事によると、日本における労働人口は毎年60万人、約1%ずつ減少していると言われており、社会問題となっています。
また、2022年度には企業の倒産件数6428件の内、人手不足関連の倒産件数は485件、7.5%と過去最高を更新し続けている状況となります。
このような状況が、自動化やファクトリーオートメーションといった状況を加速させていると考えられています。

 

ファクトリーオートメーションを進める2つの方法

ファクトリーオートメーションを行うための方法として、2点に絞りご紹介します。

工場を新しく建てる

工場を新しく建て、自動化設備や搬送、空調などの盛り込みを実施する際は、以下のメリット・デメリットが挙げられます。

工場を新しく建てるメリット

自社の理想とする目標の実現に近づけることが最大のメリットです。また、従来の人材を別の場所で生かすことができ、より効率の良い活動ができます。休日も最低限の人材で稼働させることができるので省人化においてもプラスの影響が見込めます。

工場を新しく建てるデメリット

工場を新しく建てるだけでも、構想から土地の確保・工場の建設と莫大な時間と費用が掛かります。構築から維持をするために専門の人材が必要になることや、担当者不在時のシステム障害が発生すると、復旧困難になることも予想されます。そのため、専門スタッフも属人化させないように、チームとして対応させる必要があり、継続することの難しさもあります。

工場新築においてのファクトリーオートメーション成功事例

ファクトリーオートメーションの実現はハードルが高いように感じますが、多くの課題解決の糸口にもなります。イメージがつきにくいという方のために、大規模な自動化工場の例として、オークマ株式会社の「Dream Site(DS1/DS2/DS3)」のご案内をさせていただきます。

 

現在の工場を活用しながら少しずつ改善活動を進める

こちらは、多くの会社で取り入れられている現実的な方法であり、段階を踏んで行われることが多くあります。

ステップ1 省人化

現場にいる作業者を減らす目的として、ロボットや設備を導入し、現在行っている業務の作業効率を落とさずに代行させることを指します。
例として、NC旋盤にロボットを設置し、素材ストッカーからワークを搬送し脱着から加工をさせることなどが挙げられます。その際に、ストッカーへの素材の供給など一部の作業は人が行うことになります。

ステップ2 自動化

さらに一歩進み、材料の供給から加工まで、人の手をほとんど使わずにできる状態をつくります。
省人化では現場の作業者を減らすことを目的としていましたが、自動化ではその工程における作業を人の手を介さずに行われる作業を指します。
例として、NC旋盤にロボットを設置した省人化の状態に対し、ストッカーへのワーク供給まで様々な手段を講じて行い、供給を切れることなく自動で行うことになります。

現在の工場を活用しながら少しずつ改善活動を進めるメリット

新工場建設と比較すると、よりコストを抑えながら問題となっている箇所に対策を行うことができます。また、現在稼働中の設備に対しても、設備にもよりますが後付けにて対応することができます。

現在の工場を活用しながら少しずつ改善活動を進めるデメリット

工場全体で行っていないため、最終的な統一感がなく場合によっては大きなレイアウト変更が必要となり、メンテナンスにも労力を要する可能性もあります。また、専門の人材が必要になることや、担当者不在の対応なども懸念事項として挙げられます。

 

ファクトリーオートメーションで役立つ設備・ツールの例

上記では、ファクトリーオートメーションを行うための方法について2点に絞りご紹介しました。ここでは、実際にファクトリーオートメーションを支える代表的な設備をご紹介します。

 DX製品

例:ファナック社製「FIELD system」

このFIELD systemは、工場の設備稼働をリアルタイムで把握し、工程の負荷や問題点を見える化するシステムです。複数工場の監視も可能となり、まず何から改善すべきかが判断しやすくなります。

 

自動化に対応した加工設備

人手不足の対応策として最も有効なのは自動化ですが、実際にはどのような設備があるのでしょうか。自動化に対応した加工設備はさまざまありますが、今回は3点ご紹介します。

松浦機械製作所製 「MAM72」

MAM72は、5軸マシニングセンタをベースとしてパレットチェンジ機構を持ち、72時間無人運転を可能とする機械です。金曜日夜から月曜日夜など人のいない時間も生産を止めることなく稼働させることができます。
また、多品種小ロット生産に強いというのが大きなメリットとなりますが、設置スペースが大きく、初期投資が高価になるというデメリットもあります。

オークマ製 ARMROID

ARMROIDは、ロボットアームを機内に設置した工作機械となります。
ロボットアームには3つのハンドを持たせることができ、NC装置による制御が可能となります。
ハンドは、ワーク着脱用ハンド振れ止めハンド切粉除去用機内洗浄用の4種の対応が可能です。ワークの着脱はもちろんのこと、加工における振れ止めや自動化に必要な切粉の巻き付きを抑制させる事や、機内の切粉溜まりを抑制できます。ARMROIDを搭載できる機械は、LB3000EXMULTUS Bシリーズの2機種となります。(2026年2月10日時点)
昼は有人作業として設備を稼働させ、夜はロボットを活用した無人運転など柔軟な運用ができるというメリットがあります。デメリットとしてロボットハンドの可搬重量が小さく、また可動域も狭いため、加工ワークによっては対応が難しくなるケースもあります。

オークマ製 MS-320H

MS-320H は、2024年に発表された、パレットチェンジ機構をなくしたコンパクト設計の横型マシニングセンタです。ワークの搬送には、ガントリーローダーやロボットを活用する事を想定されたマシニングセンタとなっており、お客様の要望に合わせたライン構築を実現できる機械となります。

 

周辺設備

ファクトリーオートメーションを行う上で、加工設備そのものの選定も重要ですが、周辺設備を充実させることでより効率良く成功に導くことができます。

近藤製作所製 ガントリーローダー

ガントリーローダーとは、左右と上下の移動軸を持つ、門型ワーク搬送装置です。決まった量産ワークの加工に最適な搬送装置となります。

AGV(誘導体に沿って走る搬送車)

AGVとは、工場や倉庫内において荷物を自動搬送させる無人搬送車のことを指します。シンプルかつ、低価格帯での導入がしやすいのが特徴ですが、障害物があると停止しやすいというデメリットもあります。

AMR(自律走行搬送ロボット)

AMRとは、AGVと同様に工場内において荷物を自動搬送する装置を指します。事前に走行エリアの地図を読み込ませる必要がありますが、AGVとは異なり障害物を避けながらの走行が可能となります。導入コストが高価である事やSierでも対応できるところが限られている事が課題としてあります。

キョウデンプレシジョン社製 HC洗浄機

HC(ハイドロカーボン)または、炭化水素系と呼ばれる洗浄機となります。同社の特徴としては、脱脂洗浄・油汚れを除去する事を目的とした洗浄機です。荒洗浄・仕上げ洗浄・乾燥を一槽にて真空機能を使用して行う事ができる機械となり、洗浄工程を無人にて実施する事が可能となります。更に、自動搬送装置を付加することにより、省人化の対応をする事ができます。

 

まとめ

人手不足が深刻化している昨今、製造業ではファクトリーオートメーションを活用して、工場を自動化させる取り組みが行われています。本記事ではファクトリーオートメーションを行うための方法として2点に絞りご紹介させていただきました。
1つ目の工場を新しく建てる方法では、自社の理想とする工場により近づけることができる一方、構想から建設まで莫大な時間と費用が掛かってしまいます。
2つ目の、現在の工場を活用しながら少しずつ改善活動を進める方法では、よりコストを抑えながら問題解決をすることができます。しかし、統一感がなくメンテナンスに労力を要し、大きなレイアウト変更が必要になるなど、後々課題が発生する恐れもあります。
ファクトリーオートメーションで最も重要なのは、目的を明確にし、将来的なビジョンを立てた上で進めることです。いきなり大規模なところからスタートするのではなく、今できる範囲の課題解決を積み重ねることがファクトリーオートメーションの近道になります。
何かお困りごとがございましたらぜひ弊社へお問い合わせください。

 

著者:株式会社共和工機 第2営業部TP課 主任 栗田 英和

2002年入社、入社当時よりお客様に成長をさせて頂き、25年目を迎えました。現在は、切削工具・工作機械を始め、特機商品の取扱いもさせて頂いております。減速機等のご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。